3月25日(水)20時より、話題の新刊『そして僕たちは、組織を進化させていく』を課題書とした読書会イベントをオンライン(Zoom)にて開催しました。
当日は、著者の斉藤徹氏(とんとん)を特別ゲストにお招きし、AI時代における「全く新しい組織進化の設計図」について探求しました。前半の参加者同士による深いディスカッションと、後半の著者との熱い対話からなる、充実した2時間のレポートをお届けします。
組織を「統制型」から「創発型」へと進化させる
イベントは、斉藤徹氏にご登壇いただき、参加者からの質問に答えてもらう形式で進行しました。
主に、組織を旧来の「統制型」から「創発型」へと進化させるための「実践的なナレッジ」について、大きく3つの視点で活発な意見交換が行われました。
1. 個人のやる気を引き出す「ベネフィット」の提示
AIの導入を単なる「業務効率化」という言葉で終わらせず、「自分らしい仕事をしよう」「AIを入れて16時に飲みに行こう」といった、個人の幸福や自由時間に直結する明確な旗印を掲げることの重要性が語られました。
AIに面倒な仕事を断捨離し、貢献を見える化することが内発的動機を引き出します。
2. 「オープン」を標準にする情報のナレッジ
これまでの「隠すのが普通」という文化を逆転させ、「すべてを共有するのが当たり前(デフォルト・オープン)」へとシフトするアプローチです。
1対1の対話も可能な限りオープンにし、誰もが平等に手を挙げられる「機会の均等」を担保する仕組みについて議論されました。
3. タイニーチームから始める「スモールスタート」の実践
全体を一斉に変えようとして摩擦を生むのではなく、まずは「自主的な2名」という最小単位(タイニーチーム)から始める手法です。
また、変化に抵抗する「難しい人」を排除するのではなく包摂して心理的安全性を確保することや、日々の活動ログをAIに読み込ませてチームの「らしさ」を探求するアイデアが共有されました。
変革の担い手をどうやって巻き込んでいくのか
参加者からは特に、現場で変革を起こすための起点や入口となる動きに関しての質問が集まりました。斉藤氏による本質を突くキーワードや考え方に多くの参加者がうなずながら耳を傾けていました。
人の心が動く旗(ビジョン)の必要性
多くの経営者が「AIを使ってどうしていくか」のビジョンを持てていない現状に対し、AI共創を前提とした「人の心が動く旗」を立てることが、メンバーのやる気を創り出す源泉になると強調されました。
「難しい人もまた主人公である」
書籍の「富士工業」の物語は、様々な会社のリアルな悩みを抽出して作られています。現場の変革では必ず難しい人がたくさん出てきますが、斉藤氏からは「諦めたらおしまい。彼らもまた(組織の物語の)主人公である」という、変革を進めるスモールイノベーターへの強いエールが送られました。
「組織のAIぐるぐるモデル」とアイデンティティの探求
競争優位性を組織的に獲得するカギとして、みんなが共有できるプライベートAI(RAG)の活用が挙げられました。
ここで土台となるのが本書の核心である「組織のAIぐるぐるモデル」です。これは「やる気(関係性・主体性)」「知識(情報の共有・蓄積)」「ひらめき(創造・創発)」という3つの要素が、AIを介して高速で循環するメカニズムを指します
日々の活動記録や対話ログといった「知識」をAIに読み込ませて生きたデータベースを作り、それをもとにAIと対話していくことで人間の思考と衝突し、新たな「ひらめき」が生まれます。
このプロセスを通じて「自分たちらしさ」を探求していくことが、持続的な深化に繋がると解説されました。
参加者の声・まとめ
イベントの最後には、参加者から以下のような前向きな感想や気づきが多数共有されました。
- 「富士工業の事例は色々な会社を抽出したストーリーだと知り、自分たちも諦めずにやっていこうと思えた」
- 「チームが目指すペルソナ(人材像・組織像)を明確化することが大事だと気づいた」
- 「AIを使って『関係の質』を高めることをやっていきたい」
- 「『機会の均等(手を挙げられる状態にする)』について、探していた答えをもらった」
今回の読書会は、参加者同士の知見の共有と著者からの直接のメッセージが掛け合わさり、AIを「知能を拡張し、人間を楽にするパートナー」として迎え入れ、明日からの一歩を踏み出すための大変熱量の高い時間となりました。
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