4月16日、人気シリーズ「事業を創る人を創る人の集い」の第3弾を開催しました。
テーマは「天才を活かす組織とは?」。今回は、5名の豪華ゲストが、組織内で合理的にイノベーションが生まれない構造を解き明かし、イノベーティブな組織へ変身するための方法について活発に議論を交わしていただきました。
まずはじめに、立教大学助教の田中聡さんから、「事業を創る人と組織を科学する!」というテーマでプレゼンテーションを行って頂きました。組織の中で新規事業担当者が辿るプロセスについて研究成果を引用しながらご紹介いただきました。
特に会場や登壇ゲストから反応があったのが「事業開発経験により生じる4つの学習プロセス」のお話でした。担当者が辿る「1他責思考期」「2現実受容期」「3反省的思考期」「4視座変容期」の4つのプロセスを通して、いかに他責状態から自身の思考や行動を見直し、経営者の視点で長期的に会社の成長を考えられる思考を身につけていくのか。ぜひ、多くの事業開発担当者や企業人事の方に知って頂きたいですね。
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続いては、リンクアンドモチベーション取締役の麻野耕司さんと産業医の大室正志さんによるクロストークを行っていただきました。
田中様のプレゼン内容にも触れて頂きながら、麻野さんがモチベーションクラウドをリンクアンドモチベーション社内でどのようにして提案し、事業化されたのかを生々しくお話いただきました。
途中、麻野さんのご経験から、社内起業家に求められる要素として以下の3つを紹介いただきました。
Vision:こうしたいという目標
Communication:社内政治
Information:再現性×情報(努力)
今でこそ、HRテックの主要サービスとして取り上げられる機会の多いサービスですが、オフラインの研修サービスがメインであった当時のリンクアンドモチベーションでは、立ち上げにはご苦労があったそうです。そんなご苦労がありながら「会社のアセットを活用するのであれば、社内調整を行うのは当たり前」と話される麻野さんの言葉には非常に説得力がありました。
続いては、今回会場のご提供をいただいたBase Qの責任者の光村圭一郎さんとアルファドライブの麻生要一さんによるクロストークを行っていただきました。
お二人とも社内イノベーターとしてご活躍をされてこられたのですが、そこに至るまでにどのような変遷があられたのか、冒頭の田中さんのプレゼンにあった「事業開発経験により生じる4つの学習プロセス」の図に当てはめながらお話をいただきました。
麻野さんのお話ともリンクしますが、新規事業やオープンイノベーションにおいては「外交だけでなく、内政(社内調整)も大事で、外交と内政を繰り返すことが大切である」とお二人とも強調されておりました。
プログラムの最後は全登壇者によりパネルディスカッション。テーマは「天才を活かす組織とは?」です。会場からの質問を受け付けながら、非常に白熱した議論が展開されました。
話題に上ったテーマとしては、以下のようなものがあります。
- 新規事業担当者はなぜ病むのか?
- 個人の力だけでは非連続的な成長は産めない
- 時には内圧を軽やかにスル―することも大切
- 辛いときは視座を高める努力をする
- 組織内には甘えの構造(=家族主義)が存在する
- エンゲージメントで組織と個人が結ばれるためには、個人に選択肢を持たせ、即時清算を組織が行うことが重要。それでも個人が辞めない組織が良い組織
- 個人はいつでも辞められる佇まいを持つことが重要。組織内での突破力に繋がる
- 上司・経営者のコミットメントが強い会社は本業が傾いている会社に多い。既存事業が上手くいっている会社はコミットメントは薄い
- 経営者のコミットメントを引き出すには外圧が必要。資本市場から新規事業の必要性を説いてもらう
最後に、One HR共同代表の島崎から、One HRが令和元年5月1日に発表を予定しているHR版のSDGsについて触れながら、「HRの令和」というスローガンを紹介させていただき、「令和の時代を創るのはHRである」「HRの令和(美しい調和)を産み出すことで、企業にも個人にもイノベーションを起こしていける」というプレゼンをさせていただきました。
シリーズ第3弾としての開催でしたが、次回#4もぜひ開催できればと思っております。ご参加いただいた皆様、ご登壇者の皆様、ありがとうございました。
▼麻野さんから、サインとメッセージをいただきました
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